「LeanとDevOpsの科学」という本を読みました。
非常に面白かったので、感想とかをまとめていきます。
どういう本なの
著者らが実施したDevOps関連の調査の結果がまとめられている本です。
そのため、「DevOpsとは?」みたいな話はあまり書いてありません。
読んだ経緯
仕事をしているときに「DevOpsについて詳しく知りたいな」と思うことが度々あったため、読んでみました。
感想
本全体について
書いてあることに目新しいことはありませんでした。
ですが、今までは『「個人の能力の総量=チームの能力」ではない』など、自分がふんわりと感じていたのですが、あまり確証がなく、あくまで個人の意見として持っていました。
そういったふんわりと感じていた部分をこの本ではしっかりとアンケート調査を行い、感じていたことが正しいと証明してくれています。
なので、色々と感じていたことを「個人の意見」から「科学的な知見」として扱えるようになったのが、とても助かります。
心に残ったところ
有能なチームを生む主要因として「個々のメンバーの素養の総計」が浮かび上がるものと担当者は予想していたが、実際には「チームの個々のメンバーの素養よりも、各メンバーが他の関係者といかにやり取りし、作業をどう構成し、チームに対する自身の貢献をどう捉えるか、のほうが重要」との結果が出た
P.46 『技術系の組織に対するWestrumモデルの意義』
これは自分の中では当たり前なものの、ウォーターフォールで長くやっている方やプロフェッショナル志向のエンジニアの方と話すと、まだまだ「個人の能力を上げるべし!」みたいな考えの方とぶつかるなと感じています。
個人の能力も重要な要素なのですが、チームや組織の環境やプロセスを見直すことのほうが重要だなと改めて思いました。
DevOpsについて
DevOpsについては、「XP+Lean」を突き詰めたんだなということを感じました。
(ここで言うLeanは「リーンスタートアップ」ではなく「リーン(製品)開発」のほう)
具体的には、「XPの価値・原則をLeanのプラクティスで実践する」みたいな印象をいだきました。
例えばこの本では「従業員の満足度、アイデンティティ、コミットメント」について言及されていますが、これはXPの原則の「人間性」(「人間がソフトウェアを開発する」という事実から目をそらさないこと)に当てはまります。
一方で、「テストファーストプログラミング」などのXPのプラクティスについてはあまり言及がなく、「WIP制限」などのLeanのプラクティスについては多く言及があります。
なので、この本と併せて「エクストリーム・プログラミング」や「カンバン仕事術」を読むとより理解が深まりそうだなと思います。