無事に大学院のPBLの最終成果発表が終わり、卒業できそうなことがわかりました。
学業も無事に終わりましたので、春休みは無職を全力で楽しみます!
さて、本題です。
「大学院で情報系を学びたい!」となると、東京都立産業技術大学院大学(以後AIIT)と北陸先端科学技術大学院大学(以後JAIST)がよく候補として挙がります。
僕はAIITの学生なので、AIITの学生から見た比較をQ&A方式で紹介していこうと思います。
ちなみにJAISTの学生である父さんという方が「働きながら情報系の大学院を修了した 」というnoteを書かれていて、そちらにJAISTの様子が書かれているので併せて読むことをオススメします。
Q. コンピュータサイエンス(以後CS)の勉強をしたいです
A. JAISTに行きましょう
AIITではCSの授業は(ほぼ)ありませんし、取れる学位もCSではありません。
よってCSの勉強をしたい場合はAIITはオススメできません。
これは余談ですが、CSというと「データ構造とアルゴリズム」ばかりが推されていて、CSについて勘違いされてる方もいらっしゃるのではと思います。
正確ではありませんが、わかりやすく言うとCSとは「コンピュータに応用できる数学」のことです。
もしCSを勉強したいと思われている方がいれば、「本当に数学を勉強したいの?」と自問してみるといいかもしれません。
Q. 数学がわかりません
A. AIITがオススメです
JAISTはCSなので、普通に大学生レベルの数学の知識が求められるようです。
一方でAIITはCSではないせいか、統計と機械学習以外の授業では数学はほぼ求められません。
ちなみにAIITの入試は「小論文」「プレゼンテーション」なので、入試でも数学は問われません。
Q. 週末しか時間がとれません
A. JAISTがいいかも
JAISTは主に週末の金土日に授業が開講されるようです。
一方で、AIITは月〜土まで授業が開講されます。
なので、仕事の都合で夕方までに仕事を切り上げられない場合はJAISTのほうが良いかもしれません。
ちなみに、「日曜日くらいゆっくりしたい」という要望はおそらくAIITに行ってもJAISTに行っても叶いません。
最近の大学や大学院は僕らが昔在籍していたときよりも真面目になっており、ほぼすべての授業で課題が出されます。
もちろん課題は授業時間外でやることが前提になっているので、勤務時間と授業時間以外の時間を確保して取り組む必要があります。
さらに、課題の中にはチームで取り組むものもあり、社会人がチームを組んで時間の都合がつきやすいのなんて、日曜ぐらいしかないわけです。(土曜日は授業)
サラリーマンは週5日だけサラリーマンしてればいいのですが、学生は週7日、毎日が学生なのです・・・
Q. 勉強はしたいのですが、研究はしたくありません
A. AIITがオススメです
AIITは専門職大学院です。
専門職大学院はアカデミック色が薄く、AIITでは研究は必須ではありません。
代わりに1年間プロジェクト活動を行うPBLがあります。
このPBLについては、情報系ではプロダクト作成を行うことが多いです。
逆に研究をしたい人はAIITをオススメしません。
PBLの中で研究をして学会発表をするチームもありますが、非常に少数です。
また、PBL活動はチームで行うので、個人的に研究したいテーマがあったとしてもそれを研究できるとは限りません。
他のチームメンバーがNOと言う可能性があるからですね。
どうしてもやりたい研究がある場合、他メンバーの協力を得られるように色々と戦略を練っておくと良いと思います。
ちなみに、AIITで取れる学位は「専門職修士」になります。
普通の修士との違いは無いようです。
アメックスとセゾンアメックスの違いみたいなものでしょうか。
Q. お金がありません
A. 勉強が得意ならJAIST、苦手ならAIITがいいかも
JAISTの場合
JAISTは奨学金が非常に充実しています。
成績が上位10%であれば、授業料が免除されるようです。
なので、成績優秀者をキープできるのであれば、受験料と入学金だけで済みそうです。
AIITの場合
一方で、AIITの場合は雇用保険制度の「専門実践教育訓練給付金」が使えます。
詳細な条件は厚生労働省のサイトで確認していただきたいのですが、
- 雇用保険に入っている(または直近入っていた)
- 36歳未満
の2つを満たしていると費用の50%、また、卒業後に雇用保険に入るとさらにプラスで20%を受け取れます。
つまり、学費が3割で済むということですね。
また他にも、成績優秀者向けの給付型奨学金や、都民向けの入学料半額などの制度があります。
参考程度にAIITの場合の具体的な数字を。
まず、そのまますべての入学金・授業料を払うと、
入学料 ¥282,000 授業料 ¥1,040,800 計 ¥1,322,800
かかります。
ざっと150万くらいですね。
ここに各種制度を適用すると、
都民の場合 -¥141,000 給付型奨学金 -¥520,000 訓練給付金 -¥463,260 計 -¥1,124,260 支払い ¥198,540
となり、実質2年間で20万円程度で済みます。
MacBook Pro より安い!
JAIST, AIITどちらも
もちろんこれらの他にも貸与型の奨学金はあるので、お金がない場合は検討してみるといいかもしれません。
自分の軸で選ぶ
大学院ごとに色々と特色があるわけですが、結局は自分の中で軸を組み立てて、それをもとに選んでいくしかないわけです。
僕は研究したいテーマが特に無かったので、「AIITいいじゃん」となってそのままAIITに行き、そして結果として間違ってなかったかなと思います。
こういう選ぶという行為をするときには、アジャイルが思い起こされますね。
結局はトレードオフの世界であり、何を優先して何を捨てるのかを決めるだけです。
有名な言葉でいうところの「荒ぶる四天王」や「鉄の三角形」を考える必要があるわけです。(もちろん、四天王や三角形の要素は自分で考える必要はあります。)
そんな軸選びのひとつの判断要素になれば幸いです。